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特別支援を難しく考えないために-支援教育が子ども達の心に浸透するように-
堅田利明
1,500円+税
一般書 教育 / A5判 / 224頁 / 2012/10/31 初版2刷
ISBN 978-4-87616-013-6 C0037
重版しました!!
「ことば」や「コミュニケーション」を柱に約20年にわたり吃音や発達しょうがいの子供達とその家族の支援にあたってきた言語聴覚士の著者が教育現場における具体的な対処法を丁寧にガイド。
発達しょうがいについては書籍も多数発行され研修会も催されているが、知識が先行するあまり、適切な対応がとられていないケースも多く見られる。
そのような現状を間近に見てきた著者が「ちょっとした工夫、視点を変えてみることで解決に導いていけることが思いの他多い」と気付き、長年の臨床経験を基にしょうがいを持つ子供達との関わり方や対処のヒントを7つの事例とともに具体的に示唆している。
2023.10.19
目次
この本を手にとってくださった皆様に
自分と言うものの存在を通して他者をみつめること
「視点」といわれるもの/「自分」を感じ始めるとき
第1章 分ろうとするまなざし
●「自分」から外の世界へ
事例1「本当は僕がんばりたいんだ!」/エピソードを通して子どもの見方が修正されるとき/子どもの気持ちを分ろうとすること
事例2子どもの行動から気持ちと意味を読み取る/出来事の整理を通して心情を読み解く作業/保護者とともに子どもを見る目が修正されていく
事例3子どもの事情/訂正や修正/切り替え上手に
●親子のかかわりを支援する
親と子の関係性/時代が変わり、価値観も変わっていく/属性意識の強化と修正/第三者の目を通して出来事を評価されるとき/わが子の、ある一面を心配している親にとって/何らかのしょうがいがある子どもの親にとって
事例4何気ない言葉/親が抱く専門機関・専門家に対する思い
●専門家としての態度
親と向き合うときに/何か相談事があれば気楽に話せる人として身近に感じてもらえるように/助言を求めているのかどうかを吟味すること/話を聴いてもらってホッとするような聴き方
●親の話を聴くための基本的態度
親への全面的肯定的態度/親への尊敬/出来るだけ親の気持ちになって感じようとすること/伝え返し/育児や保育・教育のための支援として/サービスの提供者・受給者といった関係ではなく同志として
●しょうがい特性といわれるもの
支援教育の移り変わり
事例5「イヤー=マフ試してみたらどうですか」
事例6理解を促すためのアイテムと、それ以外に/気持ちを推し量りながらのかかわり/自然なかかわりの中で織りなす技
第2章 子どもの気持ちを推し量りながらの食事指導
●「食べる」ことを関係性からとらえてみる
栄養摂取のシステムと人の関与/食べること、飲むことの学習は/お乳を飲むのを嫌がる赤ちゃん/食べる機能の発達促進のために/モグモグゴクンと飲み込む動作/「食事介助」というかかわり、姿勢について/食形態を考える/家族の方とともに/食べる機能の問題とは違うもの
●子どもの気持ちを推し量りながらの食事指導とは
「安定」は日常から/「できる・できない」の視点のほかに/子どもへの働きかけの二方向/当てはめるのではなく、その場その場で使い分ける
第3章 吃音を持つ子どもの支援を考える
●吃音を持つ子どもの支援を考える
どもるって、『あ・あ・あ・あのー』ってなること/周りからの指摘/発達初期からみられる難発/吃音の原因に迫る
事例7吃音を「理解してもらう」とは/想像と現実のギャップ/「理解」のための伝え方
●『キラキラ どもる子どものものがたり』から四年
吃音のガイダンス/担任の先生にどう伝えるか/クラスで伝える際の要点/できれば先生が主導で/“個性”のお話と、「人が嫌がることを言わない・・・」ではなくて/映画『英国王のスピーチ』から/音読の活かし方
結び 特別支援の“特別”について思うこと