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続編キラキラどもる子どものものがたり~少年新一の成長記~
堅田利明
1,500円+税
一般書 教育 / 並製 A5判 / 212頁 / 2022/5/31 初版3刷
ISBN 978-4-87616-027-3 C0093
2007年に出た『キラキラ どもる子どものものがたり』の続編!
「どもる」ということがどういうことか、身近にあっても正しく理解できていない「吃音」
「吃音で悩んでいる子どもやその家族等の助けになるような本を作りたい」という著者の想いから生まれた一つの物語。
中学生になった「吃音」のある主人公、新一少年は多感な時期を日々どう生き、成長していくのか。
「吃音」で悩んでいる思春期の子どもやその周りのあらゆる人待望の「キラキラ」少年版。
2023.10.19
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「また別にこんな事例がありました。ある先生は授業中、明らかに言いにくそうなところを読ませたり、急に当てて言わせたりします。そしてその生徒が戸惑っていると、『またまた緊張してるんやな・・・・』といってクラスで笑いを取ろうとします。本人は先生に言えないんですよね、やめてほしいって。かなり我慢をして、結局ずいぶん後になって友達から親御さんの耳に入り、事態を知ることになります。先生は吃音のことを全く知らなかったばかりか、緊張しないようにわざわざ当てて度胸をつけてやろうと考えてたと言うんです。吃音のことをもっと早く聞いていたらとその先生は親御さんに言われたそうです。先生は悪気はないんですね。でもね、平気を装ってはいますが、その生徒さんの心の傷は浅くないです。
吃音のことを伝え、そしてどのようにかかわってもらいたいかを要望していくことはとても重要です。担当の先生と話が思うように進まないようなら、校長や教頭、学年主任など第三者に入っていただいて話を進めていくのもひとつです。」
容子はなるほどと思った。新一の姿から判断して状況を甘く見ていたことを反省した。上下関係の話は容易に理解ができる。親と先生との間柄であっても対等でない感じがあり、ましてや生徒となるとなおさらだろう。単純に本人が嫌がるからとか、親が出しゃ張っているようで恰好悪いとか、先生の印象を悪くしたくないからといった、こちら側の考えだけで重要な役目を放棄すれば、取り返しのつかないことになってしまう恐れがあるんだと。
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「親の役割」より