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書籍出版 海風社 書籍案内

  • 気象・気候からみた沖縄ガイド
  • 気象・気候からみた沖縄ガイド

    真木太一

    1,400円+税

    南島叢書93 / 並製

    単なる観光地の紹介だけじゃつまらない!

    意外と知られていない沖縄・宮古・八重山の天候。
    気象を知り尽くした真木太一博士が沖縄の気象と気候を具体的な研究データを駆使しして分りやすく解説しながら「とっておき」の旅の見どころとタイミングを紹介している。

    沖縄旅行を計画したら旅の予習にもってこいの一冊。
    「天候を知れば、旅が10倍楽しくなる」

    目からうろこの「コラム」も楽しい。

    2023.10.18

気象・気候からみた沖縄ガイド

気象・気候からみた沖縄ガイド

真木太一

1,400円+税

南島叢書93 / 並製

●陽春(ウリズン)
 沖縄では例年4月の上旬に寒の戻りがあり、10℃以下になることが多い。この寒の戻りを過ぎると穏やかな暖かい日が続くことになる。移動性高気圧が通りやすくなり、帯状高気圧となることもあり、晴天が続き初夏を思わせることもある。この頃は年間で最も過ごしやすい季節でウリズン・陽春と呼んでいる。なお、シカクマメ(四角い鞘の部分をインゲンマメのように食べるマメ科野菜)の品種にウリズン名がある。
 寒候期によく発生していた下層の層積雲は4月下旬頃までに発生しなくなり、5月上旬頃からはシュークリーム形の積雲(夏雲)が発生するようになる。また、4月は強風が非常に少なく、那覇では10m/s以上の日最大風速の発生は3日程度である。もちろん、平均的なことであって、年によっては梅雨の走りで大雨や長雨ととなったり、強風が吹いたりすることがある。
 なお、沖縄・那覇では日差しが強くなって4月中下旬にテッポウユリが開花するようになる。沖縄地域では5月2日は晴天の特異日であるが、本土では翌日の5月3日(憲法記念日)が有名である。晴天日には緑が際立つ。建物の多くは鉄筋コンクリートで白色、クリーム色が多いため、緑とのコントラストは鮮明である。
 日最高気温と最低気温の差である日較差は、沖縄では海洋性気候のため年中ほぼ一定の5℃である。東京では寒候期に8~9℃、暖候期に7℃程度、名古屋では春季は10℃程度、夏季は8~9℃程度と明確な差である。